生理検査Q&A ペースメーカ心電図について 第1回
Q1:
DDIの設定での動き方がいまいちよくわかりません。またDDDでなくDDIにする利点はなんですか?
Q2:
PVCをアンダーセンシング(PVC後にスパイクが入る)することが比較的多い気がしますがどうですか? 何かそういう安全性を考慮した機能ですか? 本当にアンダーセンシングかどうか見分けるポイントはありますか?
Q3:
ホルターECGなどでペースメーカーを入れている方の所見を読むときに気をつける点などありますか?
Q4:
リードの種類によって電極の抵抗に差はないのか。それによって電流による電圧変化はあるのか?
電極抵抗はリードの種類によって異なります、またリード本体のちょっとした構造の違いによっても変化はございます。
Q5:
ペーシングの設定は電流で行うのか?
Q6:
ペースメーカリードの位置を決めるポイントは何でしょうか? (特に心室リードの位置)
Q7:
ペースメーカで長い間記録が必要なときは?
Q8:
レートレスポンスについて
どのようなセンシング方式があって、具体的にそれぞれどのような機構になっているのですか? またレートレスポンスの機能について実際に意義的には少し「?」であると聞いたことがありますが、余り大きな期待要素はないのですか?
Q9:
バイポーラペーシングリードについて
アノードとカソードの間の距離は全て同じものばかりなのですか?
Q10:
Over sensing (P22)で時間的にしばらくセンシングにマスクをかけるのは邪道な設定なのですか?
Q1:
DDIの設定での動き方がいまいちよくわかりません。またDDDでなくDDIにする利点はなんですか?
A1:
ペースメーカのモードの変遷としましてDDDはVVIから発展して、VVIでなおかつ心房に同期できるようにしたものがDDDです。 DDIはAAIの発展系でAAIで心室を監視しつつ、必要時(たとえばaf bradycardiaになったときなど)に心室ペーシングを 入れられるようになったものと考えていただければと思います。
利点としましては、なによりaf時の作動の切り替えが一番早いことだと思います。
Q2:
PVCをアンダーセンシング(PVC後にスパイクが入る)することが比較的多い気がしますがどうですか? 何かそういう安全性を考慮した機能ですか? 本当にアンダーセンシングかどうか見分けるポイントはありますか?
A2:
アンダーセンシングに似たような機能は各社沢山ありますので、なかなか見分けるのが難しいと思いますが、 第三回でそのお話にも少し触れさせていただければと思います。
アンダーセンシングか見分けるポイントとしては、スパイクが入ったのが規則的に設定どおりのAV delayで見られるタイミングなのか、 また、VV delayが一定かどうか、などが見分けるポイントとなるかとおもいます、がなかなか難しいと思われます。
Q3:
ホルターECGなどでペースメーカーを入れている方の所見を読むときに気をつける点などありますか?
A3:
全ての機能について体系的にお話できればと思いますが、ペースメーカの機能は多岐にわたっており、 またメーカーによっても異なりますので、全てお話しするのは非常に難しいのですが、 代表的な機能についてはご説明できればと思っております。第二回から第三回まででそのお話が出来ればと思います。
Q4:
リードの種類によって電極の抵抗に差はないのか。それによって電流による電圧変化はあるのか?
電極抵抗はリードの種類によって異なります、またリード本体のちょっとした構造の違いによっても変化はございます。
A4:
電極抵抗はリードの種類によって異なります、またリード本体のちょっとした構造の違いによっても変化はございます。
リード先端の抵抗値が高ければ、少ない電圧量で多くの電流を流すことが出来ますので効率的にペーシングを行うことが出来ますが、 リード本体の抵抗値が高ければ、電圧のロスが非常におおきくなりますので、一概には言えませんが、 リードの構造として本体(導体部分)の抵抗値はなるたけ少なく(50Ω前後)リード先端の抵抗値が大きくなるように作っております。
Q5:
ペーシングの設定は電流で行うのか?
A5:
メドトロニック社の体外式ペースメーカについてはペーシングの設定を電流で行っております。
電圧で設定を行うと、ペーシングし始めの電圧に比べペーシング終了時は若干電圧が減少し、なおかつ抵抗値はペーシング終了時にむかい、 分極等の影響を受け上昇する結果となりますので、計算上のエネルギー値に比べてロスが大きくなります。
体外式ペーシングは電池のロスを考えなくてもいいので、安全性を考慮し設定を電流で行っています。
植え込み型ペースメーカの場合は電流で設定を行いますと、回路上の負担が大きくなり電池のロスのつながりますので、電圧で設定を行っております。
Q6:
ペースメーカリードの位置を決めるポイントは何でしょうか? (特に心室リードの位置)
A6:
@固定性
A波高値(どれだけ大きくR波P波がとれるかどうか?)
Bペーシング閾値
この3つが重要かとおもいます、最近はそれに加え、患者様の心機能のことも考え、 できるだけ収縮形態が良くなる場所にリードを留置しようという考え方も多くなってきました(cf.心室中隔ペーシングなど)
Q7:
ペースメーカで長い間記録が必要なときは?
A7:
基本的にペースメーカのホルター機能はあくまで機能の一つですので、あまり長時間の記録は行うことが出来ません。 長時間の記録が必要な場合は、メドトロニック社では植え込み型ホルターを販売予定にしております。
Q8:
レートレスポンスについて
どのようなセンシング方式があって、具体的にそれぞれどのような機構になっているのですか? またレートレスポンスの機能について実際に意義的には少し「?」であると聞いたことがありますが、余り大きな期待要素はないのですか?
A8:
レートレスポンスについては第二回でお話できればと考えておりますが、植え込み型ペースメーカの場合、 あまり電池を使わずにレートレスポンスの計算が行え、なおかつ小型で回路を実現できるという点で体動センサーが多く使用されているかと思います。
一昔前は生理的ペーシングといえば、運動時にどれだけ現実の心拍数上昇に即したペーシングが行えるかということが目標でした。
ただ、今では不要な右室ペーシングを入れるのはあまりよくないという考え方もありますので、その点が意義的に懐疑を持たれる点になるのでしょうか?
Q9:
バイポーラペーシングリードについて
アノードとカソードの間の距離は全て同じものばかりなのですか?
A9:
各社リードによってそれぞれ異なりますが、10mm〜20mm程度になっております。 電極間距離が短い方がオーバーセンスを防げるので、短い方がいいと言われています。
電極間距離が究極に長い形がユニポーラになり、標準のバイポーラペーシングリードに比べ、 約6倍のEMI(外部からの電磁干渉)を受けやすいといわれています。
Q10:
Over sensing (P22)で時間的にしばらくセンシングにマスクをかけるのは邪道な設定なのですか?
A10:
実はしばらくセンシングにマスクをかけています。それがリフラクトリー(不応期)というもので、第二回にそれをお話できればと考えております。