生理検査Q&A 肺機能検査講座 第1回 “呼吸機能検査の基礎と肺年齢”
Q1:
測定データの確認(妥当性評価)より閉塞性換気障害では1回目より2回目が少ないとありますが、安静換気時でも少なくなるのでしょうか。 ルーチンでよくあるのですが、安静換気でだんだん基線が上がっていって1回換気量すらうまく測定ができなくなる。 この現象は1回目>2回目のために起こることと考えてよいのですか? また、どの程度のCOPDでそうなるかも教えて下さい。
Q2:
1.TVの算出される機材では、安静呼吸を加算平均する等の処理がされているのですか?そうであるとすれば、不安定な部分も例外なく反映されてしまうのですか?
2.肺年齢について1秒量のみがパラメータになるとの事ですが、これは臨床で大きな意味をもつと個人的に考えられておられますか?
Q3:
1.肺機能権に腹式呼吸は何か関係ありますか?
2.神経筋疾患等で%VC低下の人が腹式呼吸の努力をすれば、%VCは増えるのでしょうか?
3.肺年齢・肺活量測定時の基準体位はどうでしょうか? また、この体位以外での測定はコメントをつけるべきですか? 座位をとれない人はベット上で一番楽な体位で測定していますが、いいでしょうか?
Q4:
VC・FVCはルーチン検査で何回ずつ測定するのが、妥当なのでしょうか?
Q5:
外挿気量について教えて下さい。
Q6:
VC・FVC測定時基線が上や下に流れ%VCが170% FEV1.0%が60%になり、3回しましたが同じ結果でした。 技師を代えて行なったら正常に戻りました。 最初に測定した技師は何を気をつけなければならなかったのでしょうか?
Q7:
1.肺年齢を直接データとして測定出来る機械はありますか?
2.肺年齢の保険点数はどうですか?
Q8:
MVVは必要ですか?
Q9:
肺年齢は予測式2001を使用しないと計算出来ないのですか?
Q10:
ルーチン検査は吸気肺活量か呼気肺活量か相加肺活量かどれが最もよいのですか?
Q11:
現在の予測式は標準+肺生理(JRS)2001の式がベストですか?
Q12:
肺年齢イベント(横浜)で昨年1200人の測定をするのに、何人位の技師で対応されたのですか?
Q1:
測定データの確認(妥当性評価)より閉塞性換気障害では1回目より2回目が少ないとありますが、安静換気時でも少なくなるのでしょうか。 ルーチンでよくあるのですが、安静換気でだんだん基線が上がっていって1回換気量すらうまく測定ができなくなる。 この現象は1回目>2回目のために起こることと考えてよいのですか? また、どの程度のCOPDでそうなるかも教えて下さい。
A1:
安静時呼吸ではまず起きることはありません。
基線が上に上がる現象は閉塞性障害や1回目・2回目の現象は、ほとんど考えられません。機械のゼロ調整がずれているか、患者の口漏れ、鼻からの息漏れが考えられます。測定している機種にもよりますが、1度ゼロがずれると、ゼロを取り直さないと何度行っても基線が流れます。
Q2:
1.TVの算出される機材では、安静呼吸を加算平均する等の処理がされているのですか?そうであるとすれば、不安定な部分も例外なく反映されてしまうのですか?
2.肺年齢について1秒量のみがパラメータになるとの事ですが、これは臨床で大きな意味をもつと個人的に考えられておられますか?
A2:
1.これも機種により違いますが、基本的に大きい小さい乱れている波形まで、平均値で計算されます。手技で呼吸が安定してからTVを行なうようにしなくてはいけません。最近の機械は安定している波形のみを計算してくる機械もあります。
2.大きな臨床的な意味はありません、あくまでも、COPD・喫煙を減少させる為の参考値で、生活習慣病に対する啓蒙の一つで、これを基に喫煙者に禁煙を促しCOPDを減少させるための参考値、ツールと考えます。
Q3:
1.肺機能権に腹式呼吸は何か関係ありますか?
2.神経筋疾患等で%VC低下の人が腹式呼吸の努力をすれば、%VCは増えるのでしょうか?
3.肺年齢・肺活量測定時の基準体位はどうでしょうか? また、この体位以外での測定はコメントをつけるべきですか? 座位をとれない人はベット上で一番楽な体位で測定していますが、いいでしょうか?
A3:
1・2をまとめて回答します、神経筋疾患等の病気を私が知らないので、なんとも言えませんが、呼吸リハビリ等では腹式呼吸を繰り返す事により、肺活量が多少改善すると言われています。軽い運動と腹式呼吸をさせる事は良いのではないでしょうか。
3.この体位で行ないなさいと決まった体位はありませんが、ほとんどの施設では、座位で行っています。検査中に患者様が倒れる可能性もありえるため。
ベットで寝ながらの測定について、海外の予測式のほとんどが寝た状態での予測式です。実際に寝ながらの測定を行っている施設もあります。ただ、口元・鼻の息漏れの注意が座位や立位よりも必要です。呼吸マスク等で口と鼻を一緒におおって漏れを防ぐ方法等もあります。ただ、座位・立位よりも肺活量が減る可能性も考えられます。
Q4:
VC・FVCはルーチン検査で何回ずつ測定するのが、妥当なのでしょうか?
A4:
呼吸機能ガイドラインでは3回以上の測定から妥当な結果を選びなさいとあるので、患者様の慣れや要領も考えると最低3回は行なった方が良いと思われます。
Q5:
外挿気量について教えて下さい。
A5:
外挿気量とは、FVC測定の安静呼吸から最大吸気その最大吸気から最大呼出に移る際のボリュームと時間を示します。機械によってはVextと表示され外挿気量がFVCの5%を超えるとエラーNGとなります。
通常表示されるFVC波形
機械内部的なFVC波形
最大吸気から最大呼出に移る際の呼吸を出来るだけ早く大きく行なうことが重要。
(波形はフリーハンドで書いた為、下手でごめんなさい。)
Q6:
VC・FVC測定時基線が上や下に流れ%VCが170% FEV1.0%が60%になり、3回しましたが同じ結果でした。 技師を代えて行なったら正常に戻りました。 最初に測定した技師は何を気をつけなければならなかったのでしょうか?
A6:
最初の質問と同じように、最初の技師さんはゼロが取れていないまま測定を行なった為に起きた現象です。マウスピースを患者様に咥えさせた状態で、各項目キーを押したり、ゼロ調整を行なうとこのような現象が起きます。1度設定をやり直さない限り、何時までもその現象になります。別の技師さんが行って正常になったのであれば、1度設定をし直している為、ゼロが正常に戻ったからです。機械が故障しているのであれば、だれが行っても基線が流れます。自分の施設の機械がどうすればゼロをとり、取り直すかを使用しているメーカーの各営業マンに1度確認を行っておくことも必要と思います。
Q7:
1.肺年齢を直接データとして測定出来る機械はありますか?
2.肺年齢の保険点数はどうですか?
A7:
1.輸入物では肺年齢測定器が御座います。しかし、日本では薬事が通っていない為、医療では使えません。また、ヨーロッパの式の為、日本の肺年齢と計算されてくる値が違います。
2.あくまでも、COPDの予防、生活習慣病の予防や禁煙を促す為の指標の為、保険点数は取れません。FVC測定の点数に含まれます。ただし、肺機能検査は何々の疑いの為、例えばタバコを吸ってる患者にCOPDの疑いの為で測定、診療報酬の請求が可能です。
Q8:
MVVは必要ですか?
A8:
現状、MVVの測定を行っている施設は自衛隊病院・警察病院・労災病院関係しか行っていないのが現状と思われます。保険・診療報酬が付かない為とFVCの1秒量を40倍〜44倍でMVVが換算ででることもあり、あまり、必要とはされていないのが現状です。まったく行っていないわけではなく、少なくなったことは事実です。施設によって違いますが、1秒量を40倍や43倍・44倍して換算でMVVを出している施設もあります。
40倍が正しいのか、44倍が正しいのか、決まった式はありません。各先生や本・教科書により違います。
Q9:
肺年齢は予測式2001を使用しないと計算出来ないのですか?
A9:
計算は出来ます。しかし、各予測式により係数が変わってくるため、JRS2001の予測式と他の予測式では結果が違ってきます。
日本呼吸器学会・日本人間ドック学会等の日本の各学会はJRS2001の式を推奨しています。
Q10:
ルーチン検査は吸気肺活量か呼気肺活量か相加肺活量かどれが最もよいのですか?
A10:
どれが良いかは決まっていません。しかし、ここ10年位前からは、吸気肺活量で行なう施設がかなり多くなってます。閉塞性の患者様には吸気肺活量が有効だと発表されることが多くなった為、けして他の方法が悪いわけではありません。吸気肺活量を推奨する、先生が多くいらっしゃるので、最近は吸気肺活量が良いと言われてます。
吸気肺活量
呼気肺活量
相加肺活量
Q11:
現在の予測式は標準+肺生理(JRS)2001の式がベストですか?
A11:
肺生理(JRS)2001の式だけでは、補えないパラメータや年齢の方がいらっしゃるので、弊社が各先生や各技師さんに相談確認をして、この組合せ式がベストと判断し弊社の機械には投入をしております。各メーカー対応が可能と思われるので、現在、施設で使用しているメーカーに何のソフト(式)が入っているか確認をされた方が宜しいかと思います。
Q12:
肺年齢イベント(横浜)で昨年1200人の測定をするのに、何人位の技師で対応されたのですか?
A12:
神奈川県技師会にお願いし、24名の技師さんに協力を頂きました。10台の機械を使用し、1時間交代で測定をして頂きました。
1時間(1台)で8名〜10人の方を検査し、技師さんはへとへとになってました。
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