「知名度向上委員会 〜日記編〜」
京都大学医学部附属病院 庄司 月美
月曜日:仕事を終えて病院からタクシーに乗った。メモがてらに書いたレポート用紙を眺めていると、「お医者さんになるにはここでも勉強かい。」と運転手さんの一言。「いや、ドクターではありません。」と返して話は終る予定だった。しかし、二言目に「じゃ、看護婦さんかい。」こうなるといつものパターンだ。ここで「いいえ、臨床検査技師です。」の返しは話を長くする。だから、たいてい「はあ。」でごまかすことが多い。というのも、検査と聞いて「レントゲンなんかとるのか。」な〜んて言われることが少なくないからだ。(1)微妙に的はずれなことを言われつつも、負けずに臨床検査技師とはを説明する。(2)「う〜ん、ま、そんなもんです」でかわす。あなたはどっちかしら?

火曜日:外来採血に入った。名札に臨床検査技師という言葉を発見した患者さん。一言、「ほお、そんな職業があるんだね。何するの?」いやいや、あなたの血を採っているんですけど。検査にきまっているやん。と心の中で思いつつ、次の患者さんを待たせているため、「五分間しっかり押さえといてくださいね〜。」でその場は終った。よく、「なんで検査にそんな時間がかかんねん。」と厳しい言葉をもらうが、どうやら、検査があんなに広い部屋で多くの分析器(それも大きくてなんせ高い)を使って行われていることはあまり知られてないようだ。
ある人は採血場の後ろにあるSS-ROBO(採血管振分け)で検査されると思っていたほどだ。
まあ、サービスの裏側は知られなくていいのだけど。

水曜日:外来多いな。

木曜日:お休み。

金曜日:一週間の仕事が終って今日はコンパに出かけた。私達の職種は非常に出会いが少ないとみんな言う。ある人は皆無と言い切った。若い男性と言えば出入りするメーカーかドクター(研修医が多い)くらいで、「いいじゃない、ドクターと知り合えて。」と一般人は言うけれど、駅の改札口で駅員と通勤客が出会うようなものだ。たとえ好感を持ったとしても、まずきっかけが無い。
さてコンパに話を戻して、すべりだしは順調。まさにいい感じ。そして、「仕事は何してるの?」遂に避けて通れないときがきた。とりあえず、「医療関係。」と応え、「薬剤師?」「看護婦?」の問いかけに、これ以上つっこまないでくれと思いつつ、ここはあっさり「血液の検査とかしてる。」で次の話題にいこうとした瞬間、同じ臨床検査技師の友人が、「ちょっと違うな〜。」と言ったものだから、男性人のクイズ精神をかきたててしまった。これは良くないパターンだ。結局、正解は出るはずもなく、解答:臨床検査技師に一同「ふ〜ん。」で終った。既知のものがなかなか出ないことにクイズのおもしろさがあるのであって、それが出てくるはずもない見知らぬ言葉だったとき、いくらかしらける場合が多いのだ。そして、今回も数少ないチャンスを逃した(原因は他にもあるが)。しかし、関東では検査技師は意外と受けがいいらしい。理由はよくわからない。どっちにしろ、臨床検査技師という職業がもっとメジャーになれば…。

来週も臨床検査技師の知名度、高感度アップを目指してがんばるぞ。一週間お疲れ様でした。


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