■ 研修会の報告








臨床化学分野
09-001
日時:平成21年04月28日 (火) 18:30〜20:30;京都保健衛生専門学校 視聴覚教室
参加人数:31 (22)人  分類:専-20
主題:臨床化学分野 研修会
主題1:血中エラスターゼ1の臨床的意義
講師1:祖父江 晋 氏 (三菱化学メディエンス株式会社)
主題2:HbA1cの標準化 ―過去・現在・未来―
講師2:日下部 映吏 氏 (アークレイマーケティング株式会社)

@血中エラスターゼ1は膵特異性が高い酵素として知られ、近年ラテックス免疫比濁法を原理とする測定法が開発されたことから汎用生化学自動分析装置による測定が可能となった。今回はエラスターゼ1の特徴として、血中半減期が長く膵炎において他の膵酵素より比較的長く異常高値を取ることから急性膵炎の病態をよく反映すること、エラスターゼ1の主な代謝経路が肝であるので腎から排出される他の膵酵素に比べ腎不全の影響を受けにくいこと、また膵管や膵管分岐が閉塞された場合に鋭敏に上昇するので膵癌の腫瘍マーカーとしても利用できることなどをお話いただいた。膵臓癌症例の70%(膵頭部癌のみでは89%)でエラスターゼ1が異常値を取るという報告なども紹介していただいた。エラスターゼ1を他の膵酵素やCA19-9などの腫瘍マーカーと併せて測定することでより確実な膵疾患の診断が期待できる。

AHbA1cの成り立ちから日本国内・世界における標準化の動きまで幅広くお話いただいた。国内におけるHbA1c標準化に関して機種間差や不安定型HbA1c分画の扱いの違い、施設毎の補正処理の違い、HbA1cの異なる特徴を利用した各測定法(HPLC法、免疫法、酵素法)間の差などの問題点やその解決策を、標準化の歴史を辿りながら分かり易く解説していただいた。また、米国(NGSP)や欧州(IFCC)における標準化の概要もお話いただいた。「グリコヘモグロビン国際標準化に関するIFCC/IDF/EASD/ADA合意声明文」や「日本臨床化学会糖尿病関連指標専門委員会の見解」ども紹介していただいたが、標準化に向けてまだまだ動きがありそうな印象が大きい。今後も国内及び世界の動向を勉強できるこのような機会の必要性を強く感じた。
平成21年05月01日報告:今西 唯 (三菱京都病院)


08-044
日時:平成21年02月24日(火)(18:30〜20:30;京都保健衛生専門学校 視聴覚教室)
参加人数:36 (26)人  分類:専-20
主題:臨床化学分野 研修会
主題1:新規HDL-コレステロール測定試薬について
講師1:片山 有基 氏 (協和メデックス株式会社)
主題2:動脈硬化の進展・退縮を予測する指数「LDL-C/HDL-C比」について
講師2:古川 達也 氏 (アストラゼネカ株式会社)

 @Mg無添加試薬の構築、ポリアニオンとカチオン性物質の相互作用によりHDL以外のリポ蛋白中コレステロールの干渉を抑制し、またHDLのエステル型及び遊離型の両者を反応系に導き定量する測定法の紹介と、その成績について説明を受けた。講演では高TG検体、FC-rich HDL検体、ApoE-rich HDL検体等に対しての、標準法との相関・反応性について、さらに採血後の検体中HDL組成の変化、市販コントロール血清の反応性についてもお話いただいた。

 A急性冠症候群の発症は、冠動脈の粥状動脈硬化巣(プラーク)の破綻が原因とされことから、その発症予防のためには患者個々の動脈硬化の状態の適切な評価が重要である。非侵襲や簡便さを考慮した場合、LDL-C/HDL-C比はプラーク体積や平均プラーク占拠率との相関も高く、注目される指標である。講演では、プラークの進展機序、冠動脈イベント発症率とLDL-C/HDL-C比の相関、動脈硬化の退縮を目指した治療戦略とその比の目標値等を解説いただいた。講演を終え自施設での測定試薬の選択やデータの保証、標準化・共有化の重要性を再確認する機会を得た。
平成21年02月28日報告:下川原 えり


08-042
日時:平成21年01月27日(火)(18:30〜20:30;京都保健衛生専門学校 視聴覚教室)
参加人数:45(35)人  分類:専-20
主題:臨床化学分野 研修会
副題1:自動分析における異常データの見方
講師1:小島 和茂 氏(日本電子株式会社)
副題2:日常遭遇した奇異なデータ
講師2:松原 卓也 技師 (株式会社ファルコバイオシステムズ)
   小野里 夕希 技師 (堀川病院)
   中島 彩 技師 (京都民医連中央病院)
   飯田 一博 技師 (株式会社いかがく)

  今回の研修会は新たな形式として、日々の生化学検査において遭遇する異常反応、データに対する各施設での処理・対処方法を講師の方々に現場の生の声として、測定原理や患者様の病状・投薬歴などを交えて詳しく紹介していただきました。自動分析装置における異常データのチェック機構や異常事例の種類、還元物質の影響による正誤差や負誤差の発生、臭素含有薬投与によるクロール値の見かけ上高値、異常リポ蛋白(Lp X、LpY)が原因と思われるトリグリセリド値とHDL-C及びLDL-C値の乖離、ドブタミンによる過酸化水素-POD定量系への影響など、盛りだくさんの充実した内容となりました。各施設における異常データの事例や解明するまでの道程を聞けるという大変貴重な研修会となりました。異常なデータに遭遇した時に、機器、試薬、検体情報など様々な角度から原因を検証する重要性を改めて感じました。ルーチン業務で異常データの壁にぶつかった際には、是非とも今回の研修内容を参考にしたいと思います。
平成21年02月02日報告:今西 唯


08-036
日時:平成20年11月29日(土)(15:00〜17:00;京都保健衛生専門学校 202教室)
参加人数:11(6)人  分類:専-20
主題1:臨床検査のための不確かさについて知ろう
講師1:新井 堅仁 氏 (関東化学株式会社)
主題2:ISO15189におけるSOPについて
講師2:飯田 一博 技師 (株式会社いかがく)

@ ISO15189が開始され、新しい概念として「不確かさ」が臨床検査分野に広がったが、現場で検査されている方々にとってはあまり身近に感じられず、理解出来ない部分が多いことより関東化学の新井氏より図や絵を用いての説明があった。また、デモとしてデ−タ処理方法の説明があり具体的にどうすれば良いか?解りやすい内容であった。
ASOPについては、ISO15189だけでなく機能評価においても作成されている文書であるが、あまり何故、必要なのか?という部分は以外に深く考えられていない。今回は、文書とは何か?を中心に説明し、ISO15189における要求事項の解説を踏まえて説明を行った。要求事項の多さ、また実際の審査での質問や指摘事項も経験として話しをさせて頂き、意見交換が多くなされました。
平成20年11月29日報告:飯田 一博


08-027
日時:平成20年11月08日(火)(14:30〜18:00;京都保健衛生専門学校)
参加人数:23(12)人  分類:専-20
主題1:糖尿病指導の実際
講師1:肥後 直子 氏 (京都府立医科大学付属病院 看護部 糖尿病看護認定看護師)
主題2:現代の難病 メタボリック症候群に挑む
講師2:細田 公則 教授 (京都大学大学院 医学研究科 人間健康科学科 教授)
主題3:SMBGについての総論
講師3:藤本 一満 氏 (株式会社ファルコバイオシステムズ)
主題4:SMBG実技講習
講師4:藤本 一満 氏 (株式会社ファルコバイオシステムズ)
共催:アークレイ
   アボットジャパン
   ロシュダイアグノスティックス
   ジョンソン&ジョンソン

  講演1では、糖尿病看護認定看護師から患者支援の考え方と実際の糖尿病指導についての講演であった。指導は主に外来で行い、HbA1cと血糖コントロール不良の患者を対象とし、フットケアも含めた支援を行っている。また、入院患者においても病棟看護師と連携を取り退院後の目標を決めている。相談・支援はKAP理論を基にし、患者のエンパワーメントを引き出すよう工夫されていた。後半は、実際の患者例を示され療養指導の難しさとコツを教えて頂いた。
 講演2では、肥満症は過栄養、運動不足などによるいわゆる生活習慣病である。動脈硬化症を発症するメタボリック症候群の主要な構成疾患の糖尿病、高血圧症、高脂血症は肥満症の合併症となることが多い。肥満のメカニズムについて肥満細胞から分泌されるレプチンやアディポネクチンについて詳しい講義であった。
 講演3は、SMBGの歴史、測定原理・方法の変遷、測定試験紙・センサーの販売数の伸び、日米の比較やGOD法とGDH法の測定上の注意事項、指頭血と前腕血低血糖検出の遅れ、食前食後の血糖値差などを踏まえて正しい血糖測定値を得る必要がある。
 講演4は、4社メーカーのSMBG実機で、参加者全員が穿刺針の穿刺具の違いや操作性、測定値の違いなどを確認した。 看護師からの療養指導の実際、肥満のメカニズム、SMBG実技講習と充実した研修会であった。
平成20年12月02日報告:荻野 和大


08-025
日時:平成20年10月29日(火)(18:30〜20:30;京都保健衛生専門学校 視聴覚教室)
参加人数:42(29)人  分類:専-20
主題1:HbA1cの生化学・測定法・単位について
講師1:後藤 直樹 先生 (京都保健衛生専門学校)
主題2:各社ヘモグロビンA1c測定試薬の特性について
講師2:和田 哲 氏 (株式会社ファルコバイオシステムズ)

@  HbA1cにおける生化学や影響因子の説明が冒頭説明であった。測定法として現在普及している高速液体クロマトグラフィー−(HPLC)法、ラテックス免疫比濁法、免疫阻害比濁法、また、新しい測定方法として酵素法についても測定原理の説明があった。日々、業務に携わっている参加者の方々にとっては学校ではあまり詳細に学べなかった点が今回の内容で学べたと感じる。また、HbA1cにおける国際標準化の流れについても報告形態で話題となっているIFCC値(mmol/mol)についても説明がなされ参加者との意見交換がなされた。
A  日臨技のサーベイ結果においても測定方法はHPLC法が大半を占めているが、検査センターにおいては大量の検体を測定する必要があり、汎用自動分析装置を用いる施設が多い。そこでHPLC法、ラテックス法、酵素法における互いの基礎性能の検討結果報告がなされ、各施設で採用している測定方法と他の測定法との関係が把握できた。また、シーメンスより発売されたDCAバンテージの実演もあった。
平成20年10月29日報告:飯田 一博


08-020
日時:平成20年09月20日(火)(13:45〜17:20;キャンパスプラザ京都 4階 第2会議室)
参加人数:108(5)人
主題:高齢者糖尿病患者への支援 〜地域連携ネットワークを考える〜
講演:@高齢者糖尿病の対応
  A訪問栄養指導の実際
  B訪問薬剤指導の実際
  C高齢者在宅看護支援の実際
講師:@中埜 幸治 医師 (公立山城病院 病院長)
  A三毛 光子  管理栄養士 (生長会 愛風病院)
  長友 孝純 薬剤師 (生長会 愛風病院)
  C下ノ内 暢子 看護師 (京都保健会 上京病院)
共催等:京都CDEの会、日本イーライリリー株式会社  高齢者糖尿病患者への支援をテーマに、医師、管理栄養士、薬剤師、看護師の立場での指導についての講演であった。
 中野先生には、糖尿病患者の増加の推移と高齢者の占める割合など、日本と他国の比較では高齢者糖尿病患者の増加速度が近年極めて早く進んでいることや全国と公立山城病院の実態などについて分かりやすく説明していただいた。また中埜先生自身の高齢者糖尿病患者治療は実例を示され、同じ治療をしても個々で結果が大きく変わった事、ADLの向上には患者の認知度が大きく影響するなど高齢者糖尿病治療の難しさを実感した。また高齢者の場合は無理にHbA1cの低下を行わなく、60歳代で6%台、70歳代で7%台ぐらいに考えるのも1つの考え方である。
 ABCは高齢糖尿病患者の在宅支援、訪問指導の利点は、病院で患者からヒアりングするよりも住居状況や食事の内容など生活環境が把握できる反面、家庭事情や認知度低下、検査データが少ない、低血糖への対応、リハビリなど入院のように治療支援の継続が困難なことが多い。これら問題点への対応や工夫や今後の展望について、それぞれの立場での講演であった。高齢者糖尿病患者の在宅支援は、糖尿病と合併症だけでなく、認知度が治療方法や支援に大きく影響することを実感した。


08-015
日時:平成20年08月26日(火)(18:30〜20:30;京都保健衛生専門学校 視聴覚室)
参加人数:31(17)人  分類:専-20
主題1:日本におけるPOCTの現状-POCTが私たちに投げかけていること
講師1:松尾 收二 医師 (天理よろず相談所病院臨床病理部)
主題2:POCT機器の測定・運用・通信について
講師2:村上 篤 氏 (扶桑薬品株式会社)

 今回はPOCTの現状、今後について天理よろず相談所病院の松尾収二医師、POCT機器の測定・運用・通信について扶桑薬品株式会社の村上篤講師にお話いただきました。
 @日本におけるPOCTの現状-POCTが私たちに投げかけていること
   POCTとは、必要な時、場所で迅速かつ適切な診療・看護、疾病の予防、健康増進などに寄与する検査である。また、医療の質、被験者のQOL、満足度の向上に資する検査である。この定義を念頭におき、POCTは仕組みであること認識しなければならないと、強調されていました。検査をするだけではPOCTを呼べない。インフルエンザ診断キットのような用手法では、その検査キットがいつ、誰が(検者)、誰の(患者)、誰の依頼(医師)、結果が記載されている報告シールをつけ、検査を仕組みとして組み込み、仕組みであることを検者が認識する。ただ検査をしているだけにならないような、意識改革が必要である。また、院内では医師、看護師等の測定者の教育、運用体勢の構築、データ保証などの役割とするPOCT管理運営の中心となるPOCTコーディネータの必要性をお話されました。このコーディネータには臨床検査技師が中心とならなければならないと強く感じる講演でした。
 APOCT機器の測定・運用・通信について
   今回は最大13項目測定できるアイ・スタット300Fの測定、運用、通信についての講演でした。アイ・スタット300Fは測定時間約160秒で電解質、ガス分析、pH、血糖、クレアチニン、Ht、Hgbなどの測定ができ、データのプリントアウト、ネットワークへの接続もできるハンディタイプの機器である。操作も非常に簡便で、指定の場所に2〜3滴の全血を注入するだけである。患者IDは手入力(2回入力)もしくはバーコード入力があり、入力ミスがおきにくくなっている。手術室、救急医療、災害時などいろいろな環境にも適応し、大型機器との相関もあるので、良い機器である。今回はデモ機2〜3人に1台程度あり、全員が機器の操作体験もでき、機器の良さを感じることができた。こういった機器があることを、自施設で運用も含めて、臨床に紹介するのも良いと感じました。
平成20年08月26日報告:後藤 直樹


08-010
日時:平成20年06月24日(火)(18:30〜20:30;京都保健衛生専門学校 視聴覚教室)
参加人数:35(19)人  分類:専-20
主題:LIA法及びTIA法の基礎と応用
講師:
佐久間 誠 氏(栄研化学株式会社
主題:
よくわかる血清情報、二波長側光および2ポイント法
講師:
藤本 一満 氏(株式会社ファルコバイオシステムズ
協賛:積水メディカル株式会社、協和メデックス株式会社
 
ラテックス凝集反応(LIA法)を原理とする検査は、従来専用の分析装置を必要としていたが、近年では、生化学用の自動分析装置への適用が進んでいる。また、ラテックス合成技術や抗体製法の技術力向上によりナノグラムレベルの検出感度を実現し、酵素免疫法(EIA法)に迫る高感度化が可能となった。今回は、LIA法・TIA法の基礎と両者の長所・短所、影響と注意点についての説明があった。
 A.生化学自動分析装置を用いた検査において、多くの施設で血清情報(混濁度・溶血度・黄色度)を測定し、補助的数値として報告あるいは検査値の補正係数として使用していると思われる。そこで、血清情報算出法および使用法について説明があった。
 B.二波長測光の設定の仕方および2ポイント法の方法と計算法について説明があり、練習問題を解く内容で学生時代を思い出す和やかな雰囲気で大変有意義な講演内容であった。
平成20年06月30日報告:飯田 一博


08-001
日時:平成20年04月15日(火)(18:30〜20:30;京都保健衛生専門学校 視聴覚教室)
参加人数:28(19)人  分類:専門4-5-20
主題:脂質関連の検査項目について〜LDLコレステロ−ルを中心に〜
講師:日野 浩一 氏(積水メディカル株式会社 検査事業部門)
主題:脂質検査について〜LDLコレステロ−ルとRemlコレステロ−ル〜
講師:宮内 一人 氏(協和メデックス株式会社 学術部)
協賛:積水メディカル株式会社、協和メデックス株式会社
 
今回の演題は、本年4月から開始された特定健康診査に関する項目の中でも特に脂質項目について協賛メ−カ−の方に講演して頂きました。
積水メディカル株式会社では、脂質における構造、組成、代謝、機能などや高脂血症の基準、特定検診事業の説明があり、また、LDLコレステロ−ルとフリ−ワルド法との比較も報告され良好な相関であったが、フリ−ワルド法ではTGが400mg/dl以上におけるデ−タの乖離や食事の影響が今後の課題であることが報告された。
 協和メデックス株式会社からは、これまで前処理を必要としていたレムナント様リポ蛋白コレステロ−ルの項目と試薬の説明があり、LDLコレステロ−ル試薬での異常リポ蛋白LpX、LpYでの影響が報告された。またF式では、400mg/dl以下であっても食事の影響を受けることが検討デ−タより明らかにされた。
平成20年04月15日報告:飯田 一博


07-058
日時:平成20年03月11日(火)(18:30〜20:45;京都保健衛生専門学校 視聴覚教室)
参加人数:13(8)人  分類:専門4-5-20
主題:第23回京都府臨床検査精度管理調査報告会
講師:南部 昭 技師(京都府立医科大学医学部附属病院)
主題:検査データの標準化(共有化)と精度管理
講師:菅谷 達巳 氏(株式会社シノテスト 応用技術部)
協賛:株式会社シノテスト
 精度管理調査 臨床化学研究班報告会
平成19年度より「臨床検査データ共有化事業」3ヵ年計画が開始され、京都では京都府立医科大学臨床検査部と京都大学医学部附属病院検査部が基幹施設として登録された。今回の調査では共有化事業をふまえて実施項目が選定された。当日は参加全施設の生データと統計値およびプール血清の測定値のヒストグラムを報告いただいた。報告には施設間のデータが収束できている項目とそうでない項目、同一の分析法・検量での報告値に乖離をみる項目も認められた。作業手順書の再確認や測定試薬の特徴、測定対象の見極めの必要性が指摘された。今後さらなるデータの共有化に向け、技師会がどのように各施設と関わっていくか、また適切なコメントの発信方法などが課題として話し合われた。

演題2 検査データの標準化(共有化)と精度管理
1、臨床検査と標準化
2、日臨技臨床検査データ共有化事業
3、品質保証と精度管理
4、精度管理の種類・方法
 標準化により健診機関が「健診判定値」の信頼性を確保・保証することが可能になる。一方十分な精度管理も要求されることとなる。当日は「標準的な健診柏ク度管理)と総合的精度管理(検査行程全体に対する精度管理)について、またそれらの方法・評価について講義いただきました。さらに日臨技臨床検査データ共有化事業についても解説いただきました。
平成20年03月11日報告:下川原 えり


07-051
日時:平成20年02月26日(火)(18:30〜20:30;京都保健衛生専門学校 視聴覚教室)
参加人数:18(13)人  分類:専門4-5-20
主題:採血手順~JCCLS標準採血法ガイドラインより~
副題:真空採血管器材の取り扱いのポイント
講師:石黒 康裕 氏(テルモ株式会社ホスピタルグループ 医療カンパニー商品企画チーム)
主題:採血業務アシストソリューション
講師:兼本 幸治 氏(株式会社テクノメディカ 大阪支店営業部)
協賛:株式会社テクノメディカ、テルモ株式会社
 採血手順(真空採血)-JCCLS標準採血法ガイドラインより-真空採血管の取り扱いのポイント
1、標準採血法のポイントと注意点
2、真空採血の原理、器材の素材と特性、取り扱い上の注意点
 真空採血管の採血量は大気圧、採血管内温度、器材に用いられるPET素材の経時変化による内圧の低下に影響される。遠心条件としては1200G、10分以上の遠心を推奨、また分離剤入り採血管は低温では分離剤が浮上しない場合があり室温(15度以上)で扱う必要がある。資料として凝固検査用採血管の採血量のデータへの影響、遠心力と遠心温度による分離能についてのデータを提供いただいた。
患者および採血者に安全な採血手順、臨床検査の標準化・検査結果の保証、採血現場における実用性、医療器材の性能、経済効率などをふまえてガイドラインは策定された。採血ホルダーの性能、採血針の取り扱いなど採血現場から受ける質問への回答、参加者からはチーム医療、看護支援現場からの情報提供などが行われた。
 採血業務アシストソリューションについて
1、採血受付
2、採血管準備
3、患者呼出・照合
4、進捗状況
 採血コントローラによる採血状況の随時更新、待合表示モニタ、時間別患者数グラフ表示、また登録された採血コメントの表示も可能である。採血管準備と指示書、手貼り用ラベル・コメントラベルの発行、また情報端末での未呼出しチェックや呼出しとの照合プログラムが採用されている。採血前チェック機能としては食事 副題:特定健診を目前に控えて
講師:高橋 義孝 氏(日水製薬株式会社 カスタマー支援営業部)
協賛:日水製薬株式会社 カスタマー支援営業部

京臨技としての臨床検査データ共有化事業推進の方針と現状
1、臨床検査データ共有化ガイドライン-基幹施設-
2、京都府における事業の現状
3、京臨技サーベイのデータ集計結果 UAについて
医学検査2006 Vol.55 臨床検査データ共有化マニュアルよりその方策・基幹施設の設置基準を、また都道府県基幹施設の測定基準として1、測定法の選択と性能表示 2、測定機器の条件 3、精密度の評価 4、正確さをトレースした測定値の保証 5、正確さに基づいた測定値の維持管理について、解説いただいた。その後京都府における共有化事業の現状と、京臨技サーベイでのUAの測定結果についての報告を受けた。また基幹施設間の情報交換や、地域内、外部精度管理のデータ処理に係る労力は膨大であること、今後の課題などお話しいただきました。

標準化・共有化に向けての制度管理
1、JCTLM会議について
2、臨床検査標準化基本検討委員会について
3、日臨技データ共有化事業について 
科学的な医療の実現には臨床検査の標準化が必須である。
2002年、国際度量衡局 (BIPM) に国際的な標準化を推進すべく、JCTLM (Joint Committee for Traceability in Laboratory Medicine)会議が発足した。我が国からはJCCLS/JCSS勧告法や常用酵素標準物質 (JCニ疫法、酵素法等がある。
 日本での標準化は、1993年に日本糖尿病学会標準化委員会設立され、活動が開始された。
 測定表示値の国際的基準分析値への変換
IFCC法におけるHbA1cの定義 : ヘモグロビンβ鎖N末端バリンのアミノ基にグルコースが共有結合したすべてのヘモグロビン (β1-Fructosyl hemoglobin )。
 基準測定法 : ペプチドマッピング法(エンドプロテアーゼによりヘモグロビンを糖化ヘキサペプタイドに分解し、それをLC/MS (液体クロマトグラフィー質量分析法)、 またはCE (キャピラリー電気泳動法) で定量する。IFCCの利点は、測定意義が明確であること、科学的に裏付けられた測定手順であり、定義測定対象物質の実濃度を示すことが挙げられる。
 2001年から2003年の間にIFCC共同測定実験が4回実施され、3つのDCM (NGSP、Mono-S、JDS/JSCC )とIFCCとの相互関係 (いずれのDCMより低値だが直線関係) が報告されている。
( ADA参考基準範囲 : NGSP現在の値 - 4〜6 %、IFCC - 20〜42 mmol/mol )

・心不全診断におけるNT-proBNP測定の意義
1、心不全とは
2、心不全の検査と治療
3、生化学マーカーとNa利尿ペプチド 
4、NT-proBNP臨床上の有用性
5、慢性腎不全(CKD)とNT-proBNP
6、日常診療におけるメリット
 近年心不全に診断感度は
2,どこで産生されるのか?
3,PCTの血中動態について
4,プロカルシトニンの臨床的有用性について
・敗血症 (細菌性) の鑑別診断の有用性
・重症度判定の有用性
PCTはCa代謝関連ホルモンのひとつ、カルシトニンの前駆物質であり、正常代謝状態では血中への放出はない重症細菌感染症で上昇し(6-53 ng/mL)、治療により速やかに低下する局所感染またウイルス感染のみでは低レベルを示す (それぞれ1.5゚の
標準的な検診・保険プログラムについて
7,検査値共有化実践のための基礎知識について ‥標準化J生研株式会社
 CRPは1930年Tillet & Francisにより発見、206個のアミノ酸からなる分子量23kDaのサブユニットの5量体の急性期反応物質、体内の半減期は19h
高感度CRPは冠動脈性心疾患の危険因子で他のマーカーとの併用で、効果的な予測が可能。動脈硬化層の形成にCRPが直接関与している可能性がある。
 
高感度CRPに求められる性能は、新生児感染症診断;検出限界 0.2mg/L、1.0mg/L以下の高感度測定が必要(西田らの報告より)
 
虚血性心疾患危険因子; 測定精度 0.3−1.0mg/L, C.V.<10% (米国心臓病学会/疾病対策センター Scientific Statementより)、米国食品医薬品局(FDA)hsCRP規格、定量限界(LOQ)が1.0mg/L以下
 
心血管疾患におけるCRP利用に関するCDC/AHAガイドライン;CRPを心・血管疾患のリスクの独立したマーカーとして使用することを推奨。
 
包括的リスク評価により中程度のリスク(10年後に冠動脈疾患を発症するリスクが10-20%)とされた人に対して、hs-CRP測定が推奨される。
 
hs-CRP測定は2回、望ましくは2週間あけて行い平均を取る。CRPが10mg/L(1mg/dL)より高い場合は、測定を繰り返すとともに炎症の原因(心・血管疾患以外の病因)を調査すること。
 
hs-CRP測定結果はmg/Lで報告。
平成19年03月22日報告:荻野 和大


06-056
日時:平成19年02月27日(火)(18:30〜20:30;京都保健衛生専門学校 視聴覚教室)
参加人数:25(14)人  分類:B-33-10点
主題:京都府臨床検査技師会臨床化学分野精度管理報告会
講師:井上 弘史 技師(京都府立医科大学附属病院)
主題:eQAPiでの管理図の見方について
講師:小松 朋恵 氏(シスメックス株式会社)
主題:年間を通じた外部精度管理の有用性について
講師:井藤 一久 氏(シスメックス株式会社)
協賛:シスメックス株式会社
 平成18年度の京臨技臨床化学分野精度管理の報告を行った。
 
概ね良好な成績であったが、ChEでは基質事のバラツキを収束することができず次年度以降への課題となった。
 
QAPを用いた精度管理は、日々の精度管理を行うことはもとより、シスメックス社の解析データを利用することにより年間を通して、より有益な情報をもたらすことを再認識させられた。
 
健診を初めとする施設間でのデータの共有化を達成するためには、きちんとした日々の精度管理をすることはもとより、外部精度管理を通じて自施設がどのポジションにいるのかをしっかりと把握する必要性を感じた。その実践にQAPは非常に有用であった。
平成19年02月27日報告:井上 弘史


06-044
日時:平成19年01月30日(火)(18:30〜20:30;京都保健衛生専門学校 視聴覚教室)
参加人数:32(26)人  分類:B-31-10点
主題:イムノアッセイの基礎とその変遷
副題:化学発光免疫測定法にいたるまで
講師:金子 正和 氏(アボットジャパン学術情報部)
協賛:アボットジャパン株式会社
 1,免疫測定法の開発の歴史;現在臨床検査で使用されているRIA,EIA,CLIA法の開発の歴史。(1960年にインスリン測定にRIA法を開発した。)
 2,免疫測定法の構成要素;抗原、抗体(抗体作成方法)、反応様式(競合法とサンドイッチ法の原理)、B/F分離(二抗体法・PEG法・固相法)と洗浄、標準物質(検出方法;RIA,EIA,CLEIA,FPIA,CLIA)
 3,化学発光とは;化学反応の際に光が放出される現象をいう。化学発光が近年、多くの分野で応用されるようになったのは、極微弱な光が測定出来るようになった。
 4,化学発光免疫測定法の実際 ・アーキテクトを例として;CLIA法(化学発光免疫測定法)はコンジュゲートに化学発光物質を直接標識し、直接発光させる。発光物質が小さいので免疫反応への影響を及ぼしにくく、大量処理に向いている。新規アクリジウム誘導体を利用したケミフレックスで高品位な測定を実現している。
平成19年02月06日報告:荻野 和大


06-035
日時:平成18年11月28日(火)(18:30〜20:30;京都保健衛生専門学校 視聴覚教室)
参加人数:21(17)人  分類:C-79-10点
主題:栄養アセスメント蛋白の有用性とNSTについて
主題:遠心分離操作不要の真空採血管について
講師:榎本 毅 氏(ニットーボーメディカル学術部)
協賛:ニットーボーメディカル
 
DPC(DRG-PPS)の実施で入院日数の短縮を行うためには、入院患者の栄養状態を的確に捉えることが、より重要となってくる。栄養指標として、静的・動的・総合的栄養評価がある。動的栄養評価法としてプレアルブミンなどのRapid Turnover Proteinの血中濃度は、栄養状態を鋭敏に反映する。これらを測定することは、栄養療法(経静脈的、軽症栄養等)のモニタリング、入院時栄養スクリーニング、褥瘡患者の栄養管理に有用である。しかし、Rapid Turnover Proteinの血中濃度は、種々の要因で変動するため個々の特徴を踏まえた上で、測定結果を判断する必要がある。
 
NSTとはNutrition Support Teamで栄養療法を医師、看護師、栄養士、薬剤師、臨床検査技師等が結集して行うチーム医療である。NSTの役割は、栄養評価し栄養管理が必要か判定する、適切な栄養管理がなされているかチェックし、指導・提言する、合併症の予防、早期発見、治療、、コンサルテーションがある。
 
遠心分離操作不要の真空採血管(チューブ21-S)の特徴は、従来の遠心分離法による血清分離ではなく、濾過を原理としている。血液凝固時間を必要としない。遠心分離器を必要としない。現時点での短所としては血清量が少ない、一部の測定項目は測定に無理がある。
平成19年01月09日報告:荻野 和大


04-039
日時:平成16年10月07日(木)(19:30〜20:30;ぱるるプラザ京都4階研修室Room No.3
参加人数:22(19)人  分類:C-79-10点
主題:BNP測定試薬について、その臨床的意義より
講師:驛田 悌二 氏(東ソー株式会社 科学計測事業部 学術課)
講師:蔦本 尚慶 氏(滋賀医科大学 呼吸循環器内科 講師)
共催:栄研化学株式会社
演題1では、東ソー学術の驛田氏よりBNP測定試薬と分析装置であるAIAの紹介をしていただいた。
演題2では、滋賀医科大学より蔦本先生をお招きし、BNPについて盛りたくさんな内容で講演をしていただいた。講演の主な内容は以下のとおり。
 1.BNPの分子化学
 2.軽度の心臓機能異常から重度までそれぞれの段階においてもBNPが利用できる。
 3.心室機能低下症のみならず、維持透析や肺塞栓などでもBNPの測定値は臨床診断上有用である。
 4.加齢とともに血漿中BNP濃度は増加するという報告があり、診断基準にも影響するため、今後より詳細な検討が望まれる。
 5.BNPの検査自体にはコストがかかるが、BNPを測定することにより心機能低下症の早期かつ正確な診断が可能となり、患者単位にかかるコストは軽減する。
平成16年10月08日報告:南部 昭


04-004

日時:平成16年07月14日(水)(18:30〜20:00;キャンパスプラザ京都 第2演習室)
参加人数:10(6)人  分類:C-79-10点

主題:精度管理と標準化
講師:北野 仁 氏(潟Vノテスト 応用技術部)
 ・精度管理の成り立ち
 ・標準化の目的
 ・標準化の効果
 ・トレーサビリティー
 ・バリデーション
測定した検査値の正確性や根拠に対する説明責任が問われている。また、その測定値がどのような使われ方をされ、最終的に患者の役にたっているのか否か、結末を見届けなければならない。このような考え方を説明するキーワードがトレーサビリティー、バリデーションである。
平成16年07月14日報告:南部 昭


04-003

日時:平成16年06月17日(木)(18:30〜20:00;京都アスニー 3F 第4研修室
参加人数:19(14)人  分類:C-79-10点

主題:コンタミネーションの仕組みと対策
講師:木本 純也 氏(潟Vノテスト 応用技術部)
 現在、臨床化学の自動分析装置はシングルマルチと呼ばれている、一本のプローブで複数の試薬をサンプリングするタイプの装置が主として用いられている。しかしながらこのタイプの装置は試薬プローブを介した試薬のクロスコンタミネーションが問題となっている。
 試薬プローブを介したクロスコンタミネーションを原因とするデータ不良には(1)反応を阻害する物質のコンタミ、(2)反応過程物質を生成させる物質のコンタミ、(3)目的成分そのもののコンタミ、(4)反応指示のコンタミなどがある。
 日常検査の中でクロスコンタミネーションを発見することは容易でない。
各試薬メーカーは試薬間のクロスコンタミネーションについての情報を持っているので一度確認しておく必要がある。
平成16年06月18日報告:南部 昭


04-002

日時:平成16年05月26日(水)(18:30〜20:00;京都キャンパスプラザ 5階 第3演習室)
参加人数:23(19)人  分類:C-79-10点

主題:データ不良の原因と対策(総論)
講師:木本 純也 氏(潟Vノテスト 応用技術部)
 自動分析装置を取り扱う上で、日常遭遇するデータ異常についてどのように原因を探り、解決していくか。全体としての考え方と三つの具体例をもとに解説、講演をして頂いた。
データ異常を発見、解析をするのにタイムコースを見ることが大変重要である。また、事例として、血清鉄のデータ異常を3例とりあげた。一つ目はサンプル中にEDTAが混入した例。二つ目はICG試験後ICGが血液中に残存した状態で採血、検査に出された例。三つ目はM蛋白血症でいずれも異常な反応曲線を示し、正確に測定できなかった例であった。
平成16年05月26日報告:南部 昭


03-057

日時:平成16年03月18日(木)(18:30〜20:00;京都アスニー 第2研修室A)
参加人数:6(6)人  分類:C-79-10点

主題:臨床検査と遺伝子工学
副題:遺伝子工学による臨床診断薬用酵素の改変について
講師:木全 伸介 氏(東洋紡株式会社 敦賀バイオ研究所)
 臨床診断薬用酵素の開発、改変に遺伝子工学、蛋白工学の技術がどのように利用されているかをわかりやすく説明していただいた。
公演内容を下に記す。
 ・遺伝子研究の歴史
 ・遺伝子操作の基礎知識
 ・遺伝子組み換え(クローニング)の概略
 ・遺伝子組み換え技術を用いた耐熱性ウリカーゼの作成
 ・蛋白工学の概略
 ・蛋白工学技術を用いたサルコシンオキシダーゼの基質特異性改変
平成16年02月22日報告:南部 昭


03-056

日時:平成16年02月26日(木)(18:30〜20:00;京都アスニー 第2研修室A
参加人数:2(2)人  分類:C-79-10点

主題:臨床検査における酵素反応速度論
講師:木全 伸介 氏(東洋紡株式会社 敦賀バイオ研究所)
 酵素反応速度論の解説の後、個々の試薬の内容について講演をして頂いた。
 ・ミカエリス・メンテンの式
 ・ラインウェーバー・バークのプロット
 ・エンドポイントアッセイ
 ・レートアッセイ
 ・アミラーゼ
 ・尿素窒素
 ・カルシウム
平成16年02月27日報告:南部 昭


03-055
行日時:平成16年02月05日(木)(18:30〜20:00;京都アスニー 第2研修室A)
参加人数:7(7)人  分類:C-79-10点
の適応
主題:酵素とは
副題:臨床診断薬用酵素の開発とそ
講師:木全 伸介 氏(東洋紡株式会社 敦賀バイオ研究所)
下記の内容について具体的な例を挙げながら講演をして頂いた。
・酵 素概論
  ・臨 床診断用酵素の要求特性
    1.基質特異性
    2.基質親和性
    3.至適pH
    4.熱安定性
  ・開 発対象酵素の特性設定
  ・微 生物酵素開発の基本的な方法
  ・酵 素製造フローの紹介
    1.培養
    2.夾雑物質の除去
    3.安定化剤添加
  ・臨 床診断薬への適応
    1.緩衝液
    2.界面活性剤
    3.防腐剤
    4.補酵素
    5.安定化剤
平成16年02月06日報告:南部 昭